トップ > 16歳の仕事塾プロジェクトとは?


現在の日本で起きていること。同じ仕事を数十年続けてきたが、ある日突然その仕事は新しいテクノロジーで代用できるようになりその仕事自体が消滅した。またある人は十年間勤めてきた工場が来年より海外移転することになり工場が閉鎖されることになった。またこんな人も。数年前まで超優良企業の一つと言われてきた大企業に勤めていたが、海外企業との価格競争に敗れ倒産の危機に直面し大規模なリストラに見舞われた。
米デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソン氏の2011年ニューヨークタイムズ紙でのインタビュー記事が波紋を呼んでいる。「2011 年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」というのである。またリンダ・グラットンは著書「WORK SHIFT(ワーク・シフト)」の中で次のように書いている。「産業革命の原動力が石炭と蒸気機関という新しいエネルギーだったのに対し、これから起きようとしている変化を突き動かすのは、5つの要因の複雑な相乗効果だ。5つの要因とは、テクノロジーの進化、グローバル化の進展、人口構成の変化と長寿化、社会の変化、そしてエネルギー・環境問題の深刻化である。これらの要因が組み合わさり、働き方の常識が根底からくつがえる」と。
このようにまさに激動する変革の時代に生きる若者、働き方の常識が根底からくつがえった社会にこれから出て行く高校生に本当に必要なキャリア教育とは何か。
2013
年度より東京都で「都立高校生の社会的・職業的自立支援教育プログラム事業」が開始された。私たちNPO16歳の仕事塾もこの事業に参加している。従来の職業観や勤労観を育むといった観念的なレベルから、自立(自律)した人間になるための人間関係形成能力、情報活用能力、将来設計能力、意思決定能力の向上といったより行動レベルでの目的や役割がキャリア教育に求められるのではないか。
就職して一つの会社に定年まで勤め上げるといったライフスタイルは、もはや若者世代ではありえなくなってきた。むしろ必ず転職などの転機が訪れるといっても過言ではない。そのときにエドガー・H・シャインのキャリア・アンカーとい概念もあるが、自らの価値観や興味、能力等に向き合い、次の進むべき道を見据えキャリアを切り拓いていく。そんな自立(自律)した人材を育てることがキャリア教育に求められるのであろう。
16
歳の仕事塾プロジェクトとは、そのような認識のもとに時代の要請に応えるべく推進している高校生向けキャリア教育支援プロジェクトである。

【16歳の仕事塾プログラム】

①社会人授業(1コマもしくは2コマ)
第一線で活躍する社会人による授業。1コマと2コマの場合とがある。2コマの場合は生徒は事前に講師のプロフィール・レジュメを読み、自分が希望する講師の授業を2つ選択できるプログラム。

②社会人授業+価値観・職業興味ワークショップ(2コマ)
進路や職業は興味、価値観、能力、環境から考えると良いとキャリア理論で言われるが、その興味と価値観を探る自己理解ワークショップと社会人授業を組み合わせたプログラム。

③社会人へのインタビューワークショップ(2コマ)
社会人へのインタビューを通して、自らの将来を考えるきっかけやヒントを得ることができる。また異世代とのコミュニケーションを体験的に学べるプログラム。

④右脳・左脳ワークショップ(1コマ)
今の自分の興味や好みが右脳型か左脳型かの自己分析ができる。また社会は多様な人から構成されていることや、努力することで脳を鍛えられることを理解するプログラム。

⑤社会人基礎力ワークショップ(2コマ)
経済産業省提唱する「社会人基礎力」を座学とワークシートを活用した自己分析、および体験型グループワークを通して理解するプログラム。

⑥チームコンセンサスワークショップ(2コマ)
個人で考えるよりも、チームで論理的に話し合いコンセンサスを取った方がより良い結果を生むということを体験的に学ぶプログラム。

⑦プレゼンテーションワークショップ(全約10コマ)
企業内で実際に数多くのプレゼンテーションをしてきた講師からノウハウを学べ、グループでの話し合いの仕方やコンセンサスの取り方を学ぶ。そして生徒たちからのパワーポイントや模造紙でのプレゼンテーションに対して、講師が講評するプログラム。

⑧社会の中の自分~役割を考えるワークショップ
人は誰でも社会とのつながりにおいて何らかの役割を持っていることを学び、自分の過去、今、そして未来における役割を理解し想像することで「自己有用感」「自己肯定感」を醸成する。地域社会とのつながりの中で、様々な役割を果たしていくことが自分らしく生きることであることを学ぶプログラム。

⑨勤労観・職業観ワークショップ
未来の自分を見据えて、また時代や環境の変化に合わせ主体的に生きていくことが今強く求められている。「勤労観・職業観ワークショップ」では、1コマ目で時代の変化にともなう職業の変化を知り、2コマ目は働き方、特に正社員とフリーターの働き方の違いを理解することができる。